Alexander Porfiryevich Borodin
アレクサンドル・ボロディン
略歴
アレクサンドル・ボロディンは、化学者・医師としても活躍した異色の作曲家であり、「ロシア5人組」の一員としてロシア国民楽派に大きな足跡を残した。1833年サンクトペテルブルク生まれ。幼少期から音楽の才能を示したが、化学に熱中し、正式な作曲法は独学であった。大学で医学を修め、生化学の教授として有機化学分野で重要な業績を上げた。作曲家ミリイ・バラキレフと出会い指導を受けたことで、音楽活動を本格化させ「ロシア5人組」の一員となった。しかし、本業の多忙さから作曲時間は限られ、遺された作品数は多くない。 ボロディンの音楽は、力強い叙事詩的性格と豊かな和声が特徴である。「ロシア5人組」の一員として、民族色豊かな旋律や東洋的でエキゾチックな色彩を多く取り入れた。壮大なスケールで英雄の物語を描く一方で、繊細な感情表現が光る室内楽も残している。西洋の古典的な音楽形式にロシアや中央アジアの民族音楽の要素を巧みに融合させ、独自のスタイルを確立した。その情熱的な音楽表現や比類ない和声法は、ドビュッシーやラヴェルといったフランスの作曲家にも影響を与えた。 代表作であるオペラ『イーゴリ公』は未完に終わったが、リムスキー=コルサコフとグラズノフによって補筆完成された。劇中の「ダッタン人の踊り」は特に有名で、クラシックの枠を超えて広く親しまれている。交響曲第2番 ロ短調 「勇士」は、ロシア音楽を代表する傑作の一つである。また、交響詩『中央アジアの草原にて』は、東洋的な旋律と西洋的な和声が見事に調和した作品として知られる。弦楽四重奏曲第2番 ニ長調も重要な作品であり、特に第3楽章の「ノクターン」はロマンティックで美しい旋律として世界中で愛されている。
収録楽曲
この作曲家の曲が聴けるコンサート
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