Takashi Yoshimatsu
吉松隆
略歴
1953年生まれの日本の作曲家、吉松隆は、現代音楽の枠にとらわれない独自の音楽を追求してきた。慶應義塾大学を中退後、ほとんど独学で作曲を学び、1978年に作曲家としてデビュー。1981年には「朱鷺によせる哀歌」を発表し、当時の現代音楽界の非音楽的な傾向に異を唱え、調性やメロディを全面的に復活させる独自の創作路線を確立した。1990年代には英国のシャンドス・レーベルと契約し、オーケストラ作品が多数録音されたことで国際的な評価を確立。その後も、映画やテレビドラマの音楽を手掛けるなど、幅広い分野で活躍を続けている。 吉松隆の音楽は、「新(世紀末)抒情主義」を提唱し、調性やメロディを重視した作風を貫いている。彼は現代音楽が陥りがちだった非音楽的な傾向に異を唱え、聴衆が心地よいと感じるロマン主義的な要素や明確なリズム、明るい和音をクラシック音楽の世界に再導入した。ロック、ジャズ、民族音楽の要素を取り入れるなど、ジャンルを越えた幅広い音楽性を持ち、その作品は色彩豊かでコントラストが素晴らしいと評される。ジャン・シベリウスを心の師と仰ぎ、「鳥のシリーズ」に代表されるように、鳥をモチーフにした作品が多く見られることも特徴である。 吉松隆の代表作として、1981年に発表された「朱鷺によせる哀歌」Op.12は、当時の現代音楽界に衝撃を与え、新たな地平を開いた作品として評価されている。交響曲第1番「カムイチカプ交響曲」Op.40は、ロックや民族音楽の要素を取り入れた吉松の原点ともいえる最初の交響曲である。また、サクソフォン協奏曲「サイバーバード」Op.59は、数ある協奏曲の中でも特に有名で人気が高い。これらの作品は、吉松が提唱する「新(世紀末)抒情主義」を体現し、現代クラシック音楽にメロディアスで美しい響きを取り戻す大きな影響を与えた。
収録楽曲
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